おかやま緑のネットワークーおかやま木の家推進研究会は岡山の木の使用普及をはかり、木を生かした快適で良質な住宅・建築の実現、森林環境の保全や地域温暖化防止に寄与することをめざした、林業・市場・製材・材木店・工務店・設計士・建築家・団体・研究者の会です。
私たちは木の使用・普及を行い 木造建築物・CLT建築づくり を支援します。
地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」では、温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質ゼロにすることなどを目標に掲げています。これを受けて、世界の122の国と地域が2050年までの実質ゼロを目指しています。
「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、菅首相は力強く宣言しました。
2050年カーボンニュートラルはCO2やメタンなどの温暖化ガス排出量を、森林吸収や排量取引などで吸収される量を差し引いて全体としてゼロにすることになります。
企業や団体がカーボンニュートラルを目指す際、一般的に以下のようなことが実施されます。
再生可能エネルギーへの切り替え(化石燃料を使わない)
廃棄物の削減
輸送削減のため、より局所的な生産をサポートする
輸送の電化
森林再生などのプロジェクトへの資金提供によるカーボンオフセット
カーボンニュートラルを達成するには 木材の利用 が欠かせません。
木造建築物は鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比較して、建設時の二酸化炭素の排出がすくなく、建物内に空気中の二酸化炭素を蓄積してくれます。
また解体後も木材はバイオマス発電や紙にリサイクルでき、地球にやさしい素材です。
温かい
金属などよりも「熱伝導率」が低い木材は、熱を伝えにくく、人が触れたときには金属板よりも温かく感じられます。
心地よい香り
木の香りにはストレスをやわらげ、心と体をリラックスさせる働きがあります。香りが私たちの気分に影響を与えることは経験的に知られていますが、近年では血圧が下がるといった計測データに基づいた、リラックス状態の評価も進み、木の香りによるリラックス効果が明らかになってきました。
実は“柔らかい”?
木材は、樹木が生きていたときにつくられたパイプ状の細胞の集合体。空隙の多い構造であるため、コンクリートと比べても衝撃を吸収しやすく、たわみ変形による衝撃緩和作用もあるといわれています。
地球温暖化による様々なリスクを未然に防ぐために、我々は新築、既築を問わず、二酸化炭素を極力排出しないよう、建築・都市・地域のカーボン・ニュートラル化に取り組む必要があります。
建築分野で国産材の需要を拡大するには、これまでほとんど木造でつくられてこなかった
「低層非住宅」や「中高層建築」の木造化の推進 が不可欠だと言えます。
「低層非住宅」や「中高層建築」の木造化の推進 する建築方法として
・ 接合金物と大断面集成材による木造軸組建築物
・CLTパネルによる木造建築物 があります。
木造建築における接合金物工法です。
現在では住宅から大規模・中高層の集合住宅・事務所ビル・商業施設・公共木造建築にまで幅広く採用されています。
接合金物を用いることで建物の強度を実現し、大空間や大スパンといった、在来軸組工法では難しかった自由な設計が可能となっています。
岡山市内の測量会社本社
岡山市内 3階建て住宅
おかやま緑のネットワークでは木造建築物を推進するため、実例見学や研修会を開催しています。
CLTとはクロス・ラミネイテッド・ティンバーの略で、ヨーロッパで開発された未来の木質材料です。板を直交方向に積層させ、強固なパネルにしたもので、大型建築物の施工など欧州では長年の実績があります。強度はコンクリート並、しかも圧倒的に軽く、理想的な建材と言われています。大型商業施設や中層マンションなどの実績もあります。
CLTパネル工法でも、大規模・中高層の集合住宅・事務所ビル・商業施設・公共木造建築にまで幅広く採用されています。
CLTの特徴としては以下のようなものがある。
□木材を有効活用できる
木材の繊維が交差しているので反りや狂いが少ない。また、一般的な柱用よりも太くなく節の多い木材も活用可能。
□施工が容易で頑丈
それ自体が柱や梁として機能する高強度のパネル(面)で建物を支える壁式構造のため、施工が容易なうえに頑丈な建築物となる。
□工期の短縮が可能
CLTのパネルは工場で製造・加工される。また、熟練した技術者でなくても施工できるので工期の短縮が可能となる。
□コンクリートよりも軽量
CLTは1枚約220kg(1m×3m×18cm)。コンクリート製品は1枚約500㎏(1m×3m×8.5cm。CLTの建築物は軽量となるので基礎工事などの簡素化が可能になる。
おかやま緑のネットワークではCLT建築を推進するため、実例見学や研修会を開催しています。
平成30年岡山県では、(一社)岡山県建築士事務所協会とともに、2施設のCLT建築物のコスト調査を行いました。
事例分析では、CLT造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造ともに、概ね同額の建築費となる結果になりました。
九州経済連でのCLT建築の設計コスト事例分析でも、CLT造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造ともに、概ね同額の建築費となる結果になっています。
国は建築物の木造化・木質化を推進しています。2019年6月の改正建築基準法で特に木造準耐火建築物の可能性が一気に広がりました。設計者や施工者がある規模以上の中大規模木造を建てることになると、木造でも構造計算が必須となります。構造計算の必要な中大規模木造では、品質が明確なJAS構造用製材が欠かせません。
法21条改正:耐火構造とすべき木造建築物の規模が緩和されました
2019年6月25日施行の法改正によって、建築基準法21条が大幅に見直され
木造建築物等で、耐火建築物としなくてもよい建物の規模が変わっています。
改正のポイント①
高さ16mを超える木造建築物 or 階数4以上の木造建築物において、木材を「あらわし」で見せる構造が可能に。
改正のポイント②
耐火構造としなくてもよい建築物の範囲が拡大。
改正前:高さ13m以下かつ軒高9m以下であれば耐火構造としなくてもOK
改正後:下記のいずれかは、耐火構造としなくてもOK
・高さ16m以下かつ3階以下
・延焼防止に有効な空地の確保(建築物の高さ<空地の境界線までの距離であること)
今回の改正によって、一定の基準を満たした木造建築物であれば、4階建てであっても木材あらわしで設計することができるようになっています。
全国各地で「都市(まち)に森をつくる」運動として、木を伐採・植林する緑の好循環を支援し、全国で地域産木材の活用を促進が進んでいます。
成熟期に入りCO2吸収力が衰えた成木を伐採し、木造建築に使用することにより、市街地にCO2を固定化します。一方で、植林した若い木はCO2を旺盛に吸収して成長することでCO2を削減しています。
この「都市(まち)に森をつくる」運動を全国展開され、各地で地域産木材の需要を拡大し、最大のCO2吸収源である森林を整備して吸収力を高め、地球温暖化防止など環境保全を図りましょう。
木造建築物によるSDGs提言 GOAL
岡山県内にもCLT建築物があります。
木造建築物を企画・計画・新築したい、ご希望のある方は「おかやま緑のネットワーク」にお問い合わせください。ご相談ごとに設計チームを構成して対応いたします。
おかやま緑のネットワーク」
おかやま木の家推進研究会は、おかやまの木の使用普及をはかり、木を生かした快適で良質な住宅の実現をめざしています。
また岡山の森林環境の保全や地球温暖化防止に寄与することを目的としています。
研究会では、こうした活動に関心のある県民の方や研究者や団体と、おかやまの木を育て、作り、流通し、販売し、設計し、工事する方々と、消費者の方が安心・相談できるネットワークをめざしています。
お問い合わせ先
おかやま緑のネットワーク(おかやま木の家推進研究会)
副代表 ㈲宇川建築計画事務所
〒700-0942 岡山市南区豊成3-17-24
電話:086-265-9333 FAX:086-265-9334
ホームページ:http://www.okayama-green-net.com/
E-mail:ugawa@mx3.tiki.ne.jp