おかやま緑のネットワークーおかやま木の家推進研究会は、岡山の木と木材全般の使用普及拡大をはかり、木を生かした快適で良質な住宅・建築の実現、森林環境の保全や地域温暖化防止に寄与することをめざした、林業・市場・製材・材木店・工務店・設計士・建築家・団体・研究者の会です。

私たちは、貴重な財産の「木の文化」を継承するため 古民家の再生 を支援します。

 

古民家再生

 

 

 一般的に古民家とは建築後50年経過した建物とされ、 一般社団法人全国古民家再生協会での「古民家」の定義は、昭和25年の建築基準法の制定時に既に建てられていた「伝統的建造物の住宅」すなわち伝統構法とする。

 

 

古民家とは、日本の住居のうち、建築年数がかなり経過した民家であり、国が制定する文化財登録制度においては、「50年以上」というのが対象条件になっている。

 

古民家は、
・伝統的な建築工法である木造軸組工法で建てられている
・茅葺屋根、草葺き屋根、日本瓦葺き屋根、土間、太い柱と梁を持つ
・築年数が50年以上経っている

  
おおむね、これらにあてはまるものを古民家という。また、古民家には、農村民家・町民民家・武家民家・庄屋屋敷などさまざまな形態があり、日本的な深い趣をもつ。そして、文化財としても価値のある古民家は次の時代に引き継がれなければならない。、近年リノベーションによって住宅として、商業施設、街の交流施設などに再利用されるケースも増えてきた。

 

 

古民家の再生利用例

 

古民家再生の事例ー設計:中桐建築設計事務所 耐震補強を行い、住宅として再生する

 

 

岡山市優秀建築物賞すまいポイント賞受賞 足守 まちなみ館ー設計:宇川建築計画事務所
以前、ここには江戸時代の商家が建っていました。その後は、町の郵便局や駐在所に使用されていましたが、足守まちなみ調査を開始した、昭和62年には廃墟のような空家の状態でした。
岡山市はこうした状況により、新築により地域の町づくりに貢献できる施設として計画を進めることにしました。設計に先立ち、旧商家の建物の実測を実施し、外観や詳細ディテールは極力復元をしています。このときの実測資料や設計図面がその後の足守の建物建設に役立っています。 

 

 

町家の再生例ー岡山市出石町 大正時代の商店から備前焼工房に(設計:宇川建築計画事務所)になり、最近 モダンなカフェにリファインされた例

 

古民家再生 矢掛ビジターセンター問屋 完成ーNEW   2021

 

K・F設計の藤田代表をリーダーにして、岡山県で伝統的街並みの残る矢掛町の民家を再生し街の交流施設として矢掛ビジターセンター問屋 (やかげビジターセンターといや)が完成しました。

 

 K・F設計の藤田代表をリーダーにして、古民家再生の実績のあるメンバーの設計事務所により、古民家の実測を行い 町家の現況図面の作図、現況の耐震診断・補強計画、町家活用の計画と実施設計を行いー藤田代表の監理により古民家再生をしました。

 

矢掛ビジターセンター正面
矢掛ビジターセンター正面

 

宿場町矢掛は重要伝統的建造物群保存地区に選定され、無電柱化により一層江戸時代の面影を感じられるようになっています。

矢掛町ビジターセンター問屋は、旧山陽道矢掛宿のメイン通りに建つ古民家を再生した観光案内施設です。

江戸時代には「因幡屋」という屋号で、宿場から宿場へ公用の貨客を運ぶ馬や人足などの輸送手配を行っていた場所です。入ってすぐの場所は吹抜けになっていて、2階に上がれば太い梁が間近に見学できます。建物や矢掛の町についての歴史が分かる展示のほか、観光パンフレットも設置されています。

 

1階エントランスと展示室
1階エントランスと展示室
展示室を見上げると吹抜になり、ダイナミックな小屋組が見えます
展示室を見上げると吹抜になり、ダイナミックな小屋組が見えます
古民家の素晴らしさがご覧になれます
古民家の素晴らしさがご覧になれます
和室より座敷を見る
和室より座敷を見る
展示室上部の吹抜けとキャットウォーク
展示室上部の吹抜けとキャットウォーク
通り土間から中庭が見えます
通り土間から中庭が見えます

 

完成写真ー中桐暢良 ㈲建築写真室提供 TEL086-279-5222

 

完成時には新聞にも記事掲載されましたー中国新聞など

矢掛ビジターセンター問屋の場所はこちらをご覧下さい

定休日 年末年始

住所 〒714-1201 岡山県小田郡矢掛町矢掛1989 TEL 0866-83-0001(やかげDMO)

 

矢掛町ではこの施設と合わせて やかげ道の駅 山陽道やかげ宿 もオープンしました

 

矢掛道の駅ー山陽道やかげ宿
矢掛道の駅ー山陽道やかげ宿

矢掛ビジターセンター 再生のプロセス

本会の設計士により実測調査中
本会の設計士により実測調査中


 

調査により古民家建物の現況での問題点を整理

 

 

古民家を再生設計するため、経験豊富な建築家が手分けして実測します

 

外観の実測
外観の実測
すべての室内を実測する
すべての室内を実測する
断面を詳細に実測する、他の実測図と照合し、不明点は再度実測する
断面を詳細に実測する、他の実測図と照合し、不明点は再度実測する
実測スケッチをもとに作図します
実測スケッチをもとに作図します

古民家再生の問題点

 

・使いやすいように間取りや仕上げ・設備の変更がでるー柱や壁の撤去や変更ができるか検討が必要

・大きな地震に対する耐震性能が弱いー耐震診断して耐震補強がかならず必要

・断熱性能が低いー可能な限り高性能な断熱材を充填する、外部建具はペアガラスを入れる

 

現在の建物に阪神大震災の地震が来た場合の被害状況のシュミレーションーこのままでは1階がつぶれる
現在の建物に阪神大震災の地震が来た場合の被害状況のシュミレーションーこのままでは1階がつぶれる
岡山県木造耐震診断により、現況建物の耐震診断と改修プランにて耐震補強計画をチェックする
岡山県木造耐震診断により、現況建物の耐震診断と改修プランにて耐震補強計画をチェックする

 

現況建物の耐震診断では、評点が0.04で「ほとんど耐震性のはない」と診断結果が出る。

改修プランの壁に筋交いや合板による耐力壁を設け、評価点を1.0以上にする。

 

改修プランに耐力壁を設けて、現在の建築基準法での耐震性能をチェックー適合である
改修プランに耐力壁を設けて、現在の建築基準法での耐震性能をチェックー適合である
改修プランで住宅性能の表示での耐震等級チェックー耐震等級3級・耐風等級2級を確保
改修プランで住宅性能の表示での耐震等級チェックー耐震等級3級・耐風等級2級を確保

 

岡山県木造住宅耐震診断とあわせて建築基準法での耐震性能をチェックするーOK

また、基礎と梁桁のサイズも許容応力度計算ソフトにてチェックし、梁桁材を必要に応じて補強する

 

あわせて、構造の補強の方法を検討する

 

この建物では、外観は現況保全するので内部に新たに壁を設け耐力壁を設置するーインフレーム構造にする

使用できる接合金物を検討します

 

耐力壁がなかったり、接合金物がないと大きな地震が発生すると倒壊の可能性が高い

 

大地震でのシュミレーションCGー耐震補強すると大地震でも倒壊しない
大地震でのシュミレーションCGー耐震補強すると大地震でも倒壊しない
構造フレームの補強スケッチーどこに何の接合金物を取り付けるか検討
構造フレームの補強スケッチーどこに何の接合金物を取り付けるか検討
基礎の構造計算をもとに納まりを検討
基礎の構造計算をもとに納まりを検討
基礎とアンカーボルトの検討
基礎とアンカーボルトの検討
既存の梁桁材には接合金物がついてないので、施工しやすい接合金物を取り付ける
既存の梁桁材には接合金物がついてないので、施工しやすい接合金物を取り付ける
既存の壁に新たに設ける柱を接合する金物使用
既存の壁に新たに設ける柱を接合する金物使用

改修プランの柱・梁桁の構造フレームのCG
改修プランの柱・梁桁の構造フレームのCG
外壁壁の内側に耐力壁を設けるため、新たに柱・梁桁材 軸組みフレームを設ける
外壁壁の内側に耐力壁を設けるため、新たに柱・梁桁材 軸組みフレームを設ける
実測と構造検討をもとに、断面詳細図他図面一式を作図します
実測と構造検討をもとに、断面詳細図他図面一式を作図します
1階床伏図ー土台と耐力壁、接合金物を図示
1階床伏図ー土台と耐力壁、接合金物を図示
2階床床伏図ー2階床の梁桁材、2階の耐力壁、接合金物などをを図示
2階床床伏図ー2階床の梁桁材、2階の耐力壁、接合金物などをを図示
小屋伏図ー梁桁材を図示
小屋伏図ー梁桁材を図示

 

古民家改修での完成までの工程 

 

・既存建物の現状調査と実測調査をまず行います

・実測スケッチをもとに作図します

・現況図をもとに改修プラン、工事予算を検討します

・改修プランにもとずいて、構造を検討して耐震性能を確保します

・改修プランをもとに、再度現地調査を行います

・改修プランを作図します

・完成した図面と資料、カタログなどを建設会社に渡し見積徴収します(数社になる場合もあります9

・提示された見積書を検討し金額調整します

・工事契約の後工事に入ります

・設計した建築士により監理します

・完成

 

 

矢掛ビジターセンター 古民家再生の工事

 

藤田代表が古民家再生の工事監理をしました

基礎工事
基礎工事
基礎の完成
基礎の完成

基礎の完成
基礎の完成
新たに柱を設置
新たに柱を設置

既存の梁を支える柱を新設し耐力壁を設ける
既存の梁を支える柱を新設し耐力壁を設ける
柱と梁桁を新設して補強する
柱と梁桁を新設して補強する

補強した軸組
補強した軸組
柱を新設して補強
柱を新設して補強

梁をつないで補強
梁をつないで補強
柱を新設して梁をサポートする
柱を新設して梁をサポートする

既存の柱と新設する柱を接合する金物を設置
既存の柱と新設する柱を接合する金物を設置
新設柱の接合・新設柱と既存針とは金物で接合
新設柱の接合・新設柱と既存針とは金物で接合

新しく設置した軸組みに耐力壁を設置
新しく設置した軸組みに耐力壁を設置
新しく設置した耐力壁
新しく設置した耐力壁

新設の柱・耐力壁・火打梁
新設の柱・耐力壁・火打梁
外壁面と天井裏に断熱材を充填
外壁面と天井裏に断熱材を充填

建物の隅に火打金物を設置
建物の隅に火打金物を設置
柱を新設する様子ー全て金物で接合します
柱を新設する様子ー全て金物で接合します

外壁を焼杉板で修景補修
外壁を焼杉板で修景補修


お問い合わせ

 

古民家を再生したい、ご希望のある方は「おかやま緑のネットワーク」にお問い合わせください。K・F設計 藤田代表を中心にして、ご相談ごとに設計チームを組織して対応いたします。

 

おかやま緑のネットワーク」

おかやま木の家推進研究会は、おかやまの木と木材全般の使用普及拡大をはかり、木を生かした快適で良質な住宅・木造建築物の実現をめざしています。

また岡山の森林環境の保全や地球温暖化防止に寄与することを目的としています。

研究会では、こうした活動に関心のある県民の方や研究者や団体と、おかやまの木を育て、作り、流通し、販売し、設計し、工事する方々と、消費者の方が安心・相談できるネットワークをめざしています。

 

お問い合わせ先

おかやま緑のネットワーク(おかやま木の家推進研究会)

事務局:㈲K・F設計内  藤田佳篤

 〒700-0985 岡山市北区厚生町2-13-8

 電話:086-231-2377 FAX:086-231-2682

 ホームページ:http://www.okayama-green-net.com/

E-mail:katoku@mx9.tiki.ne.jp